現在、地方都市では過疎化が進んでいる。
都市部に進学や就学のために若者が流出してしまった結果人口が減少し、それに伴って商業施設が撤退して利便性が悪くなり、益々人口が減るという悪循環に陥ってしまうのである。
過疎化がひどく進んでしまったところでは、2人に1人が高齢者というところもある。
このような地方都市の介護の現場ではどのようなことが起こっているのかというと、3つの大きな問題が挙げられる。
1つめは、行政サービスの悪化である。
人口の減少は税収の低下に繋がるため、医療や公的事業などのサービスの予算が、十分に捻出できない場合があるのだ。
そうなると、必要な行政サービスが満足に行えなくなってしまう。
2つめの問題は、介護サービスの不足である。
地方都市でも需要が高い介護サービスだが、都市部と比べると事業所の数はそう多くない。
事業所が多いと、利用者は自分の需要に合うサービスを行うところを選んで受けられ、事業所自体も競争原理によってサービスの向上に努めるのだが、事業所が少ないとあまり期待することはできない。
3つめは、老老介護である。
働き手としての若者が減ったことによる、介護職員の高齢化も大きな問題となっている。
以上のような問題を抱える地方都市では、介護職の担い手に対する需要は高い。
「のんびり暮らしたい」「地元に帰りたい」とIターン・Uターン転職を考えている人が働きやすい環境を整えることが、人員の確保に繋がるだろう。